ヤマハの四輪市場参入を探る


二輪とマリンだけではやっていけないとして、四輪市場への参入が濃厚となったヤマハ発動機。

今後、日本市場への展開もあるのかも含め模索してみます。

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最初は小型モビリティで欧州へ参戦

ヤマハの四輪本格参入は、2019年以降に欧州からとなることが濃厚となっています。

投入車種は市街地での近距離利用などを想定した二人乗りの小型モビリティで、欧州ではこの手の小型車が普及しており、今後も市場拡大が期待される分野。

ベースとなるのは2013年の東京モーターショーで公開された小型のコンセプト車「MOTIV」が予想されています。

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出典「http://global.yamaha-motor.com/jp/」


「MOTIV」は
● 排気量1L、3気筒エンジン もしくは 電気モーターの2種
● 全長2690mm 全幅1470mm 全高1480mm
● 定員 2人

日本の国土交通省が進めている「超小型モビリティ」より車体・排気量がひと回り大きいことから、厳密にいえば別ジャンルとなります。

なお、数百億円を投じて専用工場を建てる計画もあるとのことで、ヤマハの本気度が伺えます。

そして、欧州の次に展開が予想されるのは「新興国」。
今後豊かさを増す新興国では、二輪から四輪への需要シフトが進むとみられており、新興国での二輪販売を既に大きく展開しているヤマハは、自社の二輪車から乗り始めた顧客との接点を断ち切ることなく四輪車への移行を狙っていきます。

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日本市場への四輪展開は

 

本当に出したいのは「レンジエクテンダーEV」!?

さて、国内に目を向けてみた場合、「軽自動車」という小型車市場が成熟した日本では、「MOTIV」のような小型モビリティでは成功は困難となってきます。
仮にボディを更に小さくし「超小型モビリティ」としても、
今だに超小型モビリティの法規制が整備されず進捗がストップしてしまった日本では、期待が持てません。

また、「エンジンには強い」とのイメージがあるヤマハですが、強化される燃費規制等の対応を考えるとエンジン・オンリーのクルマでは今後生き残れません。

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以上の点を考慮していくと、
ヤマハとしては、 レンジエクステンダーEVは良い選択肢のひとつと思われます。

レンジエクステンダーEVは基本、電気自動車ですが、
充電用として小型エンジンを搭載しますので自社の強みも生かせます。

ひとつの例として、BMWは「i3 レンジエクステンダー」に自社のモーターサイクル用 647ccエンジンを充電用とし搭載し一定の成功を収めています。


ちなみに、2016年3月の定時株主総会での質疑応答のなかで、
四輪参入に関する質問を受けた際に、
「二輪車と四輪車の間のような、今の四輪車が取り入れられていないニーズを実現したい」との回答をヤマハはしています。

この回答から具体的なクルマ像を想像するのは困難ですが、
世界第2位の二輪車メーカーとしての強み「小型エンジン」を
まだ未成熟のレンジエクステンダーの分野で
活用していくことも考えられなくもありません。
 

トヨタとの微妙な関係

トヨタはヤマハの発行済み株式の3.6%を保有する主要な株主。
また、ヤマハはトヨタへ過去・現在と幾度となくエンジン供給した親密な間柄でもあるので、トヨタ及び関連の深いダイハツの市場を荒らすような展開は好ましくありません。

そうしたことからも、先の「二輪車と四輪車の間のような・・・」というニッチな市場を狙うかのような発言にもつながったのかもしれません。

なお、トヨタは今後の次世代カーとしてFCV(燃料電池車)を推しており、EV(電気自動車)の展開には消極姿勢でしたが、2020年までに量産をする計画があるとして一部方向転換してきました。

こういった背景からしてもヤマハは、従来は出しずらかったEVの一種であるレンジエクステンダーEVも、トヨタの顔色を気にする必要も無くなったといえます。
 
 

「YAMAHA」というブランド力に期待

ヤマハには他社には無い強みを持っています。
● MotoGPで築いた「YAMAHA」という世界に通用する強いブランド力
● 二輪・四輪で実績あるエンジン技術
● 二輪の分野で発揮する美しいデザイン力
● ピアノ等の楽器製造で培った高い木工技術 等々

これらの技術を結集してお披露目したのが2015年東京モーターショーのコンセプト車「SPORTS RIDE CONCEPT」という大変美しいコンパクト・スポーツカーでした。

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出典「http://global.yamaha-motor.com/jp/」


このクルマをみて、改めてヤマハにはこれだけのクルマを作れるだけの技術力・デザイン力があることが世界的にも知らされたわけですが、

こと成熟した今日の四輪市場への本格参入となると、
事の次元が変わってきます。
 

今後、ヤマハが四輪展開をしていく中で懸念事項のひとつが「販路」。
ヤマハにはYSPというバイク専門ディラーがありますが、ここでの四輪販売には多少無理があるでしょうし、どのように販売・アフターサービスを展開していくかが大きな検討項目にもなってきます。

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欧州での四輪参入がほぼ確実となったヤマハ。
やっと四輪の世界に立ってくれるとの思いと裏腹に、

最初に投入するモデルは小型モビリティなのか・・・ っと、
ヤマハを知るファンは一抹の寂しさを覚えるのではないでしょうか。
ヤマハならもっとワクワクする大人のヤンチャ・クルマが創れるはずだと。

もっと伸び伸びとした環境があったのなら、
YAMAHAからどんなクルマが出ていたのでしょうか。

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