4台に1台をEVに!? 壮大なVWのEV計画の影響


米環境保護局(EPA)の発表によりVWのディーゼル排ガス不正問題が発覚したのが、2015年9月18日。

そして、そのわずか1ヶ月足らずの2015年10月13日にVWが発表したのが、
次世代車の主軸をディーゼルからEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド)などの電動化へ転換するいうものでした。
 

壮大なVWのEV計画

続く翌年、VWは2016年6月16日の経営戦略の中で次のような、
より具体的なEV計画を発表しています。

  ” 2025年までに、EV(電気自動車)を30車種以上投入し、
   EVの年間販売200~300万台規模として
   EVが占める割合を現在の1%から、20~25%とする

「新車販売の4~5台に1台はEVにする計画」
とのことですから、今の現状からするとちょっと想像しがたい数字です。


そして、2016年9月のパリモーターショーでは、
その計画を具現化した次世代EVのコンセプトカー「I.D.」
初お披露目しました。

id-1

出典「http://www.caranddriver.com/」

コンパクトなEVで「EV版ゴルフ」といった様相。
これをベースとした市販車を2020年までに発表し、
さらに、2025年までに完全自律型の自動運転を導入計画です。

VWは、Cセグメントのゴルフのように、この「I.D.」をベースとした市販版EVを、「コンパクトEVのベンチマーク車」とする狙いもあるようです。

スポンサーリンク
 

EV計画の実現性より重いもの

これだけ大きな数字の計画をぶちまけたVWですが、
ことEVについていえば、企業努力だけでは推進できない分野であり、
この計画の実現性に疑問が残ります。

さて、EV成功の鍵は、バッテリーインフラが握っています。

VWは今回、キーデバイスとなるバッテリーを自社製造するとしており、
巨大バッテリー工場の建設を予定していますが、
数兆円ともいわれる排ガス問題賠償関係の損失を抱え、
どれだけの投資余力があるのかが疑問として残ります。

electric-vehicle-1394335_640
また、充電ステーション等のインフラ整備は社会を巻き込んで行っていく必要があり、これだけの販売規模となると、世界を相手にグローバル展開していくことになりますから、VWの思惑通りことが運ぶとも限りません。

また、自律型完全自動運転に関しては、法規制整備という非常に時間が掛かる事項がまるまる残っています。
 

ですが、計画はあくまでも計画。
この数字が実現できるか不透明だとしても、VWという世界1,2を争うトップメーカーから出た計画となればそこには大きな重みが加わり、今後の次世代カーとの取り組み方を明確に示したことにこそ、今回のEV路線転換計画発表に大きな意義がありました。

次ページ EV強化への潮流が世界で加速

スポンサーリンク

電気自動車の燃費は? いろんな角度から経済性をチェック
直列6気筒エンジン復活の鍵はダウンサイジングの流れ

Pocket
LINEで送る