トヨタがEVではなくFCVに力を注ぐ理由


トヨタは2015年1月にFCV (燃料電池車) 等の特許を
無償提供すると発表しました。

これを契機に全世界を巻き込んで水素インフラの拡充を急ぐと伴に、
ディファクトスタンダードを確立しようとしています。

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しかしながら、特許を開放しても尚、欧米がFCVに本腰を入れてくるかは不透明で、水素社会の実現に懐疑的な意見が数多くあります。

そんな中、水素エネルギー利用を推進する日本政府とも協調し、
世界一の自動車メーカーとしての社会的責務を負い
イニシアチブを取っていくという大義名分のもと、
トヨタはFCVに大きく舵を取っています。


では、EV(電気自動車)はというと、
2020年までにEV量産計画があるとし、やっと重い腰を上げてきた状態で
EVへの姿勢は積極的とはいえない状況です。


その理由を遠い将来 (50~100年後) にも目を向け、
大胆に推測してみます

 

エンジンはやめない

2015年10月14日に「トヨタ環境フォーラム 2015」が開催され、
「トヨタは新車のCO₂を2050年に2010年比90%削減を目指す」と
しています。

この時に使用された【今後の次世代車開発】というグラフでは、
約30年後の2050年時点の新車販売車比率
以下のように見積もっています。

  ◆ HV・PHVの比率 : 約6割
  ◆ FCV・EVの比率  : 約3割

さらに、このグラフから2050年以降の比率を推測すると緩やかに下降してはいきますが、その先数十年はHV・PHVを作り続けるものと推測できます。

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ご承知の通りHV・PHVは駆動用のエンジンを搭載しています。

ということは、30年以降の低炭素社会を目指す中であっても
「エンジンの開発・製造はやめない」
ということを意味しているとも捉えられます。

自動車は多くの部品をサプライヤーから調達しますが、
通常、「エンジン」は自動車メーカー自身が開発・製造します。

EVメーカーにはなくて自動車メーカーにあるもの、
それが「エンジン」という貴重な技術資産です。

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水素社会を早期に実現すればエンジンは残る

仮にEVが急速に普及すると、エンジンは活用の場を減少させると伴に水素社会は遠のきます。

逆にFCVの普及が進み早期に水素社会を実現すれば、従来、ガソリンで動いていたHV・PHVのエンジン及び完全なガソリン・エンジンの燃料を巷で手に入る水素に切り替え、
CO₂を全く排出しないエンジンとして生き残ることができるかもしれません。

そして、先進国で水素社会が実現した後もインフラ整備が遅れることが予想される新興国では、
ガソリンエンジンもしくはレンジエクテンダーEVの分野で、生き残った高効率エンジン技術が活躍する余地が残ります。

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EVは自動運転・カーシェアリングで近距離移動の軸となる。
FCV・PHV・水素エンジン車は、ドライバーにクルマを操作する楽しさと所有する喜びを残し、いつでも・自由に行きたいところへ行けるモバイルとする。

50~100年後、トヨタはこういった棲み分けの社会を描いているのかもしれません。

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