自動車メーカーが海外現地生産を進める理由とその影響

国内自動車メーカーの海外生産割合です。

 ◆ 2000年 38%
 ◆ 2015年 67%

わずか15年で自動車産業は、これだけの海外生産比率を上げてきました。

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海外現地生産のメリット・デメリット

自動車メーカーが海外で現地生産するメリットは、

● 為替変動によるリスク回避
● 関税の排除
● 輸送費用の削減
● 生産 → 販売までのタイムロス回避
● 現地の事情に即した迅速なクルマ造り
● 安い労働力と地価
● 現地雇用促進による企業イメージアップ
● 海外黒字削減

そして、デメリットは

● 現地の社会情勢リスク(紛争・政策転換・バッシング等)
● 教育の必要性
● 進出コスト


従来の現地生産は
販売地域に近いところに生産拠点を置く「地産地消型」でしたが、

最近の手法としてメキシコや中国に生産拠点を置き、
そこから欧州、北米、南米へ輸出する方法が目立ちます。

特にメキシコは米国の8分の1といわれる安い賃金に加え、
北米自由貿易協定(NAFTA)、40ヵ国以上と自由貿易協定(FTA)を締結している自由貿易先進国です。
そのため、メキシコからの輸出は関税が低くなり、主要な自動車市場の米国とはすぐ隣合わせという好立地条件です。

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国内自動車産業の空洞化が現実的に

海外現地生産はメーカーにとって大きなコスト削減となります。
また、現地においては雇用の確保・地域活性化に繋がり
国家を上げて歓迎されることも少なくありません。

しかしながら、日本国内に目を向けると
急進する海外現地生産の影響が出始めてきました。

国内の新車販売台数は徐々に下降しており
2000年には約600万台、2015年には約500万台となっており
今後も減っていくものと予想されています。

この要因として、人口減少という見方もありますが
「増えない収入」も一因として上げられます。

国内の全産業就業人口に占める自動車関連従事者の割合は「1割」と言われる
裾野の広い主要産業。

その主要産業が海外に流出することで国内では
「雇用機会の減少」 → 「収入が増えない」 →「将来への不安」 →
「高額商品(クルマ)の買い控え」となっていきます。


また、海外現地生産はセットで開発拠点までも海外に移されることが多くなり、グローバルなクルマ造りに主流が移っていきました。

この結果、国内向けのモデルは後回しとなり魅力的な小型車が減少。
このことも「国内新車販売台数の減少」に繋がりました。

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海外現地生産が増えるにあたり、国内生産の分担はどうあるべきかというと
「高付加価値」、「高品質」、「新技術」のクルマ造りといいますが
今のところうまく機能しているようにも見えません。

世界規模からすれば、それほど大きくない日本市場。

巨大化した会社を維持するためには、海外進出を強化し生産・販売規模を拡大するのは自動車メーカーとして当然な動きなのかもしれませんが、
企業だけの力だけで、国内自動車産業の空洞化を抑えられそうにありません。

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