マツダが「魂動デザイン」にこだわる理由


マツダの「魂動デザイン」は、2012年2月に発売されたCX-5より
採用されました。

これを契機に、SKYACTIV技術とセットで展開されるようになった新しいデザイン・コンセプトです。
 

魂動(KODO)デザインとは

クルマを生命あるものと捉え、生物(チーター)が動き出す一瞬の姿からクルマのフォルムを創造しようとしています。

日本には昔から全ての物に魂が宿るという考え方がありますが海外では少数派の思想。虚飾を削ぎ落としたシンプルなデザインと併せ、世界的に評価が高くなった「和」のテイストとしてグローバルに発信していこうとしています。

出典:http://www.mazda.co.jp/


なお、マツダは具体的なデザイン手法を説明していませんが、マツダ車全般を見て言えるのは、

Aピラーを後退させロングノーズ・ファストバック気味として後方にボリュームを持たせ、重心が後ろに掛かっているかの感覚を持たせています。

また、ウェストラインは前フェンダーで上方に持ち上げた後、前席付近でいったん下に落とし、再び後方になだらかに上昇し波打つように形成し、ルーフラインは運転者のおでこ付近を頂点としてなだらかにに後方に落としています。

以上のことから、キャビンは小さくなり小顔のスッキリしたスタイリッシュなデザインとなりますが、必然的に室内空間は小さくなってきます。

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魂動デザインの狙い

ずばり魂動デザインの狙いは、マツダのブランド創りの一環です。

国内では「マツダ車 = 値引きの多い安物クルマ」として決してブランドイメージは良いものではなく、永年マツダはブランド力の低さに苦労してきました。

従来、マツダのクルマ作りは各車種毎に担当が決められ開発が進められてきた縦割り型でしたが、SKYACTIV導入以降のマツダは異なる車種でも技術・デザインを横展開していくようになり、マツダ・ブランドとしての統一性を強調しようとしています。

量より質に変換しようとしているマツダとしては、ブランドの強化はその一歩となり「一目でマツダ車と分かる統一デザイン」は重要な要素となってきます。

出典:http://www.mazda.co.jp/


さて、マツダには、上位3社が持つレクサス(トヨタ)、インフィニティ(日産)、アキュラ(ホンダ)のように別立ての高級車ブランドがありません。

しかしながら、中堅メーカーのマツダは絞り込んだ車種構成の中で「魂動デザイン」という統一デザインで全車をまとめ上げ、世界的にもマツダそのものを高いブランドに更に伸し上げようとしています。
 

説明臭いデザインは嫌われる

世界的に高評価を得ている魂動デザインではありますが、そもそもデザインというものは人の感性に訴えるもので人によって感じ方が異なり言葉では表現しにくいものです。

また、機能の範疇で消化しきれないデザインはただのデザイナーのわがままとなり、クルマの本質を崩します。

出典:http://www.mazda.co.jp/

個人的に魂動デザインが成功していると思えるのは「ロードスターRF」と「CX-3」ぐらいで、コンパクト&ファミリーカーの「デミオ」に関していえば、長いノーズとぼってりとしたヒップラインはチグハグなデザインにしか見えません。

また、「アクセラ」の無駄に長いフロント・オーバーハングはCセグメントとして実用性も問われるジャンルの中で、後退した運転席と相まって前方の見切りを悪くしています。

マツダは事あるごとにSKYACTIVとセットで魂動デザインを前面に出してきますが、クルマのジャンルによってはそのデザイン思想がマッチする・しないが当然あるもので、クルマの性格によってデザインは大きく変化しても構わないと個人的には考えますから、全車が魂動デザインに強く縛られるのは一考の余地ありです。

社内の統一意識としてデザインを言葉として表現することが重要であることには違いありませんが、こと外側に向けて発信した場合、受け手側は「???」となりがちで曖昧さだけが残ってしまいます。

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