直列6気筒エンジン復活の鍵はダウンサイジングの流れ


絶滅危惧種となった直列6気筒エンジン。

国産乗用車としては2007年を最後に消滅し、
今や量産しているのはBMWだけとなってしまいました。

そんな折、メルセデスベンツが直6エンジンを復活させ、
2017年度に市販車へ搭載との話が浮上しています。

 

直6エンジンの魅力と衰退の理由

 
他の気筒数のエンジンがバランサーなどを配し、一次、二次振動を打ち消そうとしているのに対し、そういった本来邪魔と思えるものを必要とせず、理論的に振動が皆無という完全バランスしたエンジンは、直6とV12のみと言われています。

スポンサーリンク


振動が非常に少ない直6だけにしか味わえない「シルキー」といわれるエンジンの吹き上がりは独特で、この一点だけをとっても十分に存在価値があるエンジン。

その他にもV6と比べた場合、カムシャッフトが1セットで済むという利点もあります。
 

そんな、優艶なフィーリングを感性に訴えてくる直6エンジンですが、
時代は次第にV6に置き換えるようになっていきます。

 ● シリンダーを直列に配するためエンジンが縦に長くなり、
   FF全盛の今、横置き搭載が難しい

 ● 直6は長いエンジンを縦置き搭載とするのが定石となるが、
   前面衝突の際、エンジンが室内に食い込みやすく
   クラッシャブルゾーンが取り難いため安全対策で不利

 ● クランクシャフトが長くなり、ねじれ剛性の確保が厄介
     また、クランクシャフトを保持するベアリングの数が多くなり
     摺動抵抗が多くなり、レスポンスの面で不利

 ● 直6はV6に比べ、クランクケースが長くなり体積・重量とも大きい
 

V6はコンパクトでFFにもFRにも搭載でき、
また、クランクシャフトが短いことからレスポンスが良いことなど、
機能面で直6を踏襲してきました。



さて、安全性やクランクのねじれ剛性などに難のある直6ではありますが、
前面衝突時のエンジン脱落機構などの新しい安全技術や、新素材の応用で
現代の技術ならば十分カバー可能となってきそうです。
 

そして今、直6に新しい風が吹き始めています。

世界一厳しいといわれる欧州CO₂規制に追われる各メーカーは、
ダウンサイジングエンジンの開発に躍起ですが、
この流れが直列6気筒を復活に導こうとしています。

次ページ ダウンサイジングと直列6気筒が結び付く

スポンサーリンク

電動ターボの種類は大きく2つ。未来はどっちを選択する?
48Vマイルドハイブリッドで欧州車の攻勢が始まる

Pocket
LINEで送る