S660の存在意義


2015年4月2日に発売されたS660

スタイリッシュなミッドシップ・軽スポーツで人気ですが、
1日の生産台数が50台弱と極端に少なく納期は1年待ちとのことです。

S660-1

出典「http://www.honda.co.jp/」

ちなみに、S660の2015年度の販売台数は12,537台。
日本一売れてる軽自動車のN-BOXは172,614台でしたから
その差は約13.8倍もの差があります。

数が出にくいスポーツカーの場合、
世界を相手にグローバル展開していかないと利益が出ませんが、
日本特有の軽自動車規格ゆえ輸出は無し。

また、発売当初は売れても、急激に販売台数が落ちるのがスポーツカーの常と
過去の実績からメーカーも知っていますから、おいそれと増産にも踏み切れません。

専用シャシーを作ってこれだけ少ない生産量では、
赤字にならない程度の商売だと思われますが営業目的以外に、
S660の存在自体に、大きな意義を含んでいるようです。

 

「社内の士気高揚」「イメージアップ」

そもそもホンダの社風は「若々しくて自由闊達」なイメージ。

しかし、年を重ねるごとに事業規模は拡大し
縦割り社会の窮屈な会社へ変わってしまったと
内外から囁かれていました。

また、いち早くグローバル化を進めたホンダは主要なクルマの開発を海外へ移転してきました。

そして、ホンダのフラッグシップカーの新型NSXの開発・生産拠点までも米国オハイオ州に移され、国内拠点の士気は下がります。

こうした空気を打破するためにも、軽自動車がゆえ当然に
国内での開発となるスポーツカー・S660は必要だったといえます。

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S660が誕生したのは本田技研研究所の設立50周年を記念して
社内で開催された「新商品提案企画」コンテストでグランプリを取ったのがキッカケ。

このときグランプリを受賞した20代のM氏が開発責任者となり
その脇を固めるようにベテラン勢の開発責任者代行を置き、
20~30歳代の若手のプロジェクトからS660が誕生しました。

全く開発経験のない20代の若者が
自動車の開発責任者に選ばれるのは異例の抜擢。

「年齢にこだわりなく、意欲・才能ある者を起用する」
「昔のホンダと変わっていない」
そういった、社内・社外へ向けたアピールが聞こえてきそうです。

こういっては失礼ですが、
開発責任者に抜擢されたM氏の若さ・経歴も話題作りの一つ。

最高開発責任者に発案者の若者が採用されたこと
そして、手掛けたのが本格的ミッドシップ軽スポーツということもあり、
マスコミもこのことを大きく報道し、
「HONDA」の露出度・イメージアップにも貢献しています。


ちょっとイジワルめいたことを言いましたが、
ユーザーからすれば希少な小型スポーツカーであり、
こういったクルマは大歓迎です。

そして次は、S660をワイドボディ化しエンジン拡大した
「S1000」も投入予定。
欧州を中心に展開するようですが、国内にも投入計画があるとのことで、
小型スポーツカーの選択が少なくなった今、 国内ユーザーには朗報です。

また、「S2000」の復活計画もあるとのことで、
ホンダの「スポーツカー・フルラインナップ」完成が近いのかもしれません。

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