FFが優れているところ、ダメなところ


フロントにエンジンを積み、
前輪で駆動するFF。



小~中型車を中心に多く採用されるFFレイアウトの特徴をみていきます。

 

FFが優れているところ

① 室内空間を広く取れる

FFが広く採用される一番の理由となります。

通常FFはエンジンを横向きに搭載し、更にその横にミッションも搭載します。
これにより縦方向に余裕が生まれ、室内空間と荷室を広く取ることができます。

また、FRのようにエンジンの動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトが不要となるので、床を低くしやすく、また室内の中央を盛り上げるトンネルがなくなるので足元がスッキリ。

最大限に室内空間を確保するのに適したレイアウトがFFです。
 

② 軽量化できる

トランスアクスル(ミッションにデファレンシャル・ギアを内包)を採用するFFは、前述の通り10㎏前後もある重いプロペラシャフトやデファレンシャル・ケースが不要となり軽量化に繋がります。

ちなみにプロペラシャフトが不要ということは、わずかながらも駆動力の伝達ロス低減にもなります。
 

③ 直進安定性に優れる

駆動力を持たない車輪は抵抗となります。
それが操舵する前輪にあった場合、ふら付きの要因となり直進性を阻害します。

この部分がFFの場合、操舵を受け持たない後輪となり単に抵抗を引きずる形となるため直進性に影響が出ません。

それに加え、重いエンジンが駆動輪(前輪)を押さえつけることとなり、直進状態ではトラクション(路面への駆動力伝達)が伝わり易いことも直進安定性を良好なものにします。

  

④ 安全性を確保しやすい

エンジンの横置き搭載を定番とするFF。

エンジン縦置きとした場合、前面衝突の際に硬いエンジンが室内に食い込みやすくなりますが、横置きとした場合はクラッシャブルゾーンが取り易く安全設計が楽になります。
 

⑤ 組み立てしやすい

駆動系がフロントに集中するFFは、エンジン、ミッション、ディファレンシャル・ギアなどの主要な各ユニットを一体化しやすく、部品点数が減り組み立て工数が減ります。

このことは、時間短縮にもなりコスト削減となります。

ちなみに主要部品をユニット化しやすいということは、他の車種への応用がしやすいことにも繋がり共用化が図れます。

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FFがダメなところ

① 大きなエンジンが積めない

FFはエンジンを横に搭載してこそ真価を発揮しますが、V8のような長いエンジンを横に搭載することはスペース的に困難で、搭載できる限界はV6までとなってきます。

ちなみにかつては多く存在していた直列6気筒エンジンはV6よりも長くなるため横置き搭載が難しく、FFレイアウトが大勢となっていくのと反比例するかのように姿を消していきました。
 

② 小回りが利かない

エンジンルームのスペースが横方向に厳しくなるFF。
このため、前輪の操舵角が大きく取れず最小回転半径が大きくなる傾向があります。

ちなみにRR(リアエンジン・リアドライブ)はフロント部分の空間に余裕があり操舵角が大きく取れるため、非常に小回りが利くようになります。

今日でも町中走行に重点を置いた超コンパクトカーにRRの採用がちらほらあるのも、良好な取り回し性に着目した結果です。
 

③ 重量配分が前輪に偏る

一般的に理想的な前後の重量配分は「50:50」と言われていますが、
フロントに重量物が偏るFFの場合、「65:35」程度となります。

前輪で駆動するFFにとって前輪にトラクションを掛けることは重要ですから、フロントヘビーとする(なってしまう)ことは理に適っているとも言えます。

しかしながら、加速やコーナーリング中盤以降では後輪に荷重が移動しますから前輪駆動のFFはこの点で不利でハイパワー化してもトラクションが抜けてしまいがちとなり、高性能スポーツカーには不向きなレイアウトとなってきます。




FFが登場した当初は、
● トルクステア(加速すると勝手な方向に曲がりだす)
● タックイン(コーナリング中にアクセルを抜くと急激に内側に切れ込む)
● 強いアンダーステア(ハンドルの切り角よりもクルマが外側に膨らむ)

など、違和感あるクセを持つFF車が多く存在しましたが今日ではそれも大きく改善され、一般走行であれば駆動方式を意識することはほとんどなくなりました。

そして、広い室内を持ちながらも普段の走行に何の問題もなくなったFFは多くのユーザーに受け入れられ、メーカー側からしても作り易く様々なメリットを持つFFレイアウトは現代のクルマの主流となっています。

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