EVにもトランスミッションを搭載する時がいずれ来る

 

EVは減速比固定で低速から高速まで走っている

トランスミッションが無い初代リーフのファイナル・ギア比は 7.9377

ちなみにBRZ(マニュアル車)の減速比は
●2速(2.188) × ファイナル(4.3) = 9.4084
●3速(1.541) × ファイナル(4.3) = 6.6263

なので、リーフはBRZの2速と3速のちょうど中間当たりの減速比で
固定されていることになり、

この減速比ひとつだけで
発進、加速、巡行、高速走行の全てをこなしていることになります。



こんなことができるのも、モーターは
●大きな低速トルク
●超高回転
●高回転でも少ない騒音・振動
●逆回転が簡単(バックギア不要)
だから・・・

固定された減速比が発進にしては小さめながらも、
低回転時の大トルクで問題なし。

高速走行には大きすぎる減速比でも最高速度が140㎞まででいいのなら、
モーターのスムーズな超高回転でカバーできるというわけです。

  

それでも、EVにトランスミッションが必要な時が来る

トランスミッションが無くても実用上問題ないようにもみえるEV。

ですが、トランスミッションを搭載することで
●最適なモーター回転領域を積極利用することが可能
●必要とされるトルクを減らすことも可能

となり、次のような効果が期待できます。

①高速域の加速と最高速度の向上
高回転域のトルク低下をハイギアードのギアで
カバーすることができる
また、回転速度を下げられ冷却対策が楽になる

②航続距離(電費)の向上
効率の良いモーター動作領域を利用しやすくなる

③モーターの小型化
トルクの必要量が減ればモーターの小型化が可能
小型化は慣性が少なくなり、電費・レスポンスの向上にもなる


とかく航続距離の短さを指摘されるEVにとって、
少しでもこれを改善することは最重要課題となりますから
電費の向上という点は無視できないメリットとなってきます。



 
それでは、EVにとって何速程度が最適なのでしょう?

トランスミッションの搭載によりデメリットとなる
コスト、スペース、伝達効率の悪化を考慮すると
段数は少ない方がよく、

モーターのパワーバンドの広さも加味すれば
2速のトラスミッションでも十分な効果が期待できそうです。

以前より、各社サプライヤー、自動車メーカーは
EV用トランスミッションの開発に取り組んできており、
いくつかの提案が見受けられますが、

その内容を総じてみてみると、
2速トランスミッションをモーターと同じ筐体に収め
コンパクトにユニット化したものが目立ちます。
(その中には、インバータまでも内蔵してくる提案もあり)

現状の開発状況から察すると
将来、EVにトランスミッションを搭載するとなった時
2速という線が濃厚で、

その段数の少なさ・シンプルさから、従来にはなかったユニークな機構の
トランスミッションやクラッチで登場してきそうです。


世界の各メーカーがEVシフトを発表する中、
数年、数十年後にはそれなりの数のEVが登場することとなりそうな気配です。

そして、各社からEVが出揃い差別化が必要となった時、
EVへのトランスミッション搭載が始まっていくのかもしれません。

↩前ページ「トランスミッションはなぜ必要?」


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