電動ターボの種類は大きく2つ。未来はどっちを選択する?


モーターの力で過給圧を得る電動過給機
2016年5月には市販乗用車として世界初採用したSQ7(アウディ)が登場しています。


 
今後採用例が増えていくことが予想される注目のデバイスですが、
その種類は大きく分けて「2ステージ型」「ハイブリッド型」の2つ。

今後、どちらが選択されていくかも注目点です。
 
 
ところで、この電動過給機なるもの。
「電動ターボ」? それとも「電動スーパーチャージャー」?

どちらが正しい言い回しなのかはちょっと悩ましいところですが、
その使い方で分類してもよさそうで、その辺りも読み進めて頂ければご理解頂けると思います。
 

効果

 まずは、電動過給機の効果から確認してみます。
 

①ターボラグの解消

厳しさを増す環境規制への対応として、ターボを搭載したクリーンディーゼルやダウンサイジング・エンジンが増え、ターボ活用の場は増えてきています。

しかしながら、排気圧でタービンを回転させて過給圧を得るターボの泣きどことはドライビリティを悪化させるターボラグ

この改善策として可変ジオメトリーターボ、ツインスクロールターボなどが登場していますが、完全にターボラグを拭い去っているとは言い難いところです。

その点、モーターで過給圧を得る電動過給機であれば、排気圧が掛かりにくい低回転域や再加速のシーンでも有効に過給でき、しかもトルクが強く応答性のいいモーターのおかげで精密に制御が可能となりターボラグ解消の有効な手段となってきます。
 

②排気エネルギーを利用した発電(※ハイブリッド型の場合)

エンジン高回転域で余った排気エネルギーの回収を目的に、電動過給機のモーター部に発電機を内蔵して発電を行うことを想定したタイプもあります。
 

➂従来型ターボのアシスト

昨今のエンジンは熱効率の向上で排気エネルギーが低下傾向にあり、
従来型ターボのアシストという観点からも効果が期待されています。

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種類

現状、電動過給機単体での使用は想定されていないようで、
排気圧を利用した従来型ターボとの組み合わせにより以下2種類に分類できます。
 

① 2ステージ型

従来型ターボに加え、電動過給機を別途追加した構成
 
エンジン低回転及び再加速時は電動過給機を使用し、
排気圧が高まる中・高速域は主に従来のターボで過給をします。
 

2ステージ型の場合、電動過給機自体は排気エネルギーを全く利用していない為、「電動スーパーチャージャー」といってよさそうで、

エンジン回転域により、電動スーパーチャージャーと従来型ターボを明確に分けた専用設計が可能となり、ドライビリティを重視するハイパワー型となります。
 

ちなみに、電動スーパーチャージャーは高温となる排気タービンが無く、しかも設置場所が吸排気のレイアウトに左右されにくいため、比較的自由な場所への設置が可能となってきます。

世界初となったSQ7(アウディ)も2ステージ型で、従来型ターボ2基に加え電動スーパーチャージャー1基を追加した贅沢な3基構成となっています。


 

② ハイブリッド型

従来型ターボ内に、モーター発電機を内蔵した構成
 

エンジン低回転域及び再加速時はターボに内蔵されたモーターで過給を行い、
中・高回転域は高い排気圧を利用し過給を行います。
 
2ステージ型と異なりターボ1基で運転を実施し、エンジン高回転域では余った排気圧で発電も行い充電や他のデバイス用電力とし効率性も重視しています。
 

ハイブリッド型は、排気圧力とモーター動力が同一筐体内にある過給機という点から「電動ターボ」といってもよさそうで、ドライビリティ向上とエコノミーの両立を狙った効率型となってきます。

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