e-POWERが日産にしかない理由


国内販売で好調を維持するe-POWER

いわゆるシリーズ・ハイブリッドですが、
現在、市販乗用車でこのシステムを搭載しているのは日産だけです。

そして今後、日産以外のメーカーがシリーズ・ハイブリッドを採用してくる気配も全くありません。

それには大きくいって3つの理由がありそうです。
 

理由①:e-POWERに必要なコンポーネンツが揃っていた

e-POWERの売りの一つは、EVの利点と長い航続距離を両立した新しいシステムにも関わらず低価格であるといった点。

この低価格化が可能となったのは、そもそもシリーズ・ハイブリッドの駆動用バッテリーには大容量なものが必要無いことに加え、日産の場合、モーターなどの主要コンポーネンツの多くがリーフから流用できたことも大きな要因です。

そして日産は実績ある3気筒のコンパクなガソリン・エンジン(HR12型)を既に持っていました。

ノート・e-POWERの発電用エンジンはこれを流用したもので、3気筒という短いエンジンの真横に駆動モーターとインバーターを横一列セットした非常にコンパクトな設計で室内空間を犠牲にしていません。


低価格のe-POWERはEVの利点を広く認知させることとにも繋がり、
ピュアEV・リーフへの誘導という役目も担っていくこととなります。

スポンサーリンク
  

理由②:燃費規制はEV販売量世界一のリーフが対処

自動車メーカーが電動化を進める大きな理由の一つとして、
厳しさを増す各国の燃費規制(CO₂排出量規制)への対応にあります。

そして、この燃費規制は

● EV
● FCV
● PHV
● レンジエクステンダーEV

などに限定、もしくは優遇する規制が多く
HV(ハイブリッド)は今後、規制対象車から外されていくことが決まっています。



では、e-POWER(シリーズ・ハイブリッド)はどうなのかというと、
排気ガスをHV並みに排出することから、やはり燃費規制対策車としては認知されません。

ということで、一般の自動車メーカーであれば燃費規制対策車とならないシリーズ・ハイブリットをわざわざ巨額を投じて今、新規開発ということは考え難いところですが、日産の場合は事情が異なってきます。

日産には世界一売れているピュアEVのリーフがあり、e-POWERが燃費規制対策車にはならないという事は大きな負担とはなってきません。
 

理由③:欧州展開が難しいe-POWER

e-POWERが苦手とする高速巡行走行。

高負荷状態が続くと発電用エンジンが稼働し続けるため、
燃費が悪化しやすく静粛性も損ないます。

そして、そもそもトランスミッションを持たない構造上、
最高スピードはせいぜい150㎞/h程度が限界でさほど高くありません。

このことは、日本よりも平均スピードも高く、ハイウェイでは巡航速度が130㎞/h程度と高い欧州の道路事情にe-POWERはマッチしないことになります。

つまり、e-POWERは欧州展開が厳しいことを意味し、
このことも他のメーカーが手を出しづらい理由の一つとなってきます。



では当の日産はというと、大きくシェアを落とした国内向けと捉えればe-POWERは立派な役割を果たしてくれます。

回転し始めれば即座に最高トルクを発揮するモーターは、低・中速走行に適しており停止・発進の回数が多く平均速度の遅い日本の道路事情にe-POWERはマッチしています。

更にルノーとの提携を契機にグローバル展開が顕著になった日産のラインナップをみると海外向けといえるモデルが非常に多く、「国内市場を軽視している」との悪い評価が日産に定着してしまいました。
 

ハイブリッドでも出遅れた日産にとってe-POWERは、
国内市場回復に向けての起爆剤といえそうです。

スポンサーリンク

Pocket
LINEで送る