日本と欧州の異なるクルマ事情あれこれ


「所変われば品変わる」と言いますが、日本と欧州の諸事情の違いから来るクルマ創りの違いをあれこれみていきたいと思います。


 

①ディーゼルが主役の欧州

欧州でのディーゼル車の割合は50%以上と、日本とは比較にならないくらい高い数字。

なお、ガソリンよりも軽油が2割近くも安くなる日本と違って、欧州では国によっては軽油の方が高いところもあります。



軽油の方が安い、とは必ずしも言い切れない欧州の状況ですが、
年間走行距離が日本の約3倍近くにもなる欧州では、燃費が2~3割ほど良く経済性に優れCO₂の排出量が少ないクリーンディーゼルは、欧州では環境対策車の主力となっています。

日本の場合、「汚い、うるさい」といった悪いイメージからかディーゼル車の比率は低く、日本国内では軽自動車を除くと3台に1台が売れるハイブリッド車が環境対策車のメインになっています。

ちなみに、原油精製の段階でだぶつく軽油を日本は輸出しています。
 

②オクタン価が高い欧州のガソリン

日本のレギュラーガソリンのオクタン価は「90」。

一方、欧州で8割ほど使われているレギュラー(ミッドグレード)のオクタン価は「95」と日本のものよりも高くなっています。



このため、欧州のクルマはこの高いオクタン価に合わせて設計されているため、日本に輸入される欧州車はほぼ間違いなく「プレミアム・ガソリン」が指定されます。

ちなみに、オクタン化を高くすると出力向上・燃費改善効果があることから、日本のレギュラーガソリンもオクタン価向上が望まれます。
 

AT比率世界一の日本。MT比率が非常に高い欧州。

日本のAT車比率は99%と世界一。
欧州ではMT車の比率が非常に高く、8割以上がMT車とも言われています。



日本の場合はストップ&ゴーを頻繁に繰り返し、しかも渋滞が多いことからクラッチ操作が不要なATが好まれる模様。

欧州の場合はその逆で、平均スピードも高くクラッチ操作も少なくなるので、わざわざ高額で燃費も悪化するATを選択する必要がないためMT比率が高いといわれています。

しかしそういった分析もあるものの、これだけ差が大きいとクルマ文化の違いとしか言いようがない部分もありそうで、クルマは自分で操作するものとの意識が強い欧州では、MT車が好まれるのではとの見方もあります。

ちなみに、欧州にもオートマチック限定免許があり、免許制度の違いによる云々ということは無さそうです。

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④日本はCVTが、欧州ではDCTが好まれる傾向に

ATの種類にも日本と欧州で違いみられます。

現在、日本で一番普及しているATがCVT
そして欧州ではDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が小型車から大型車まで幅広く採用されています。



この違いが生まれる背景は先ほどと似ていて、

●加減速が多い日本の道路では変速ショックが無く、きめ細かな制御ができるCVTは結果的には燃費で有利

●変速回数が多くなり湿気も多い日本では、DCTの故障率が高くなる傾向にある

●シフトチェンジが早くダイレクト感があるDCTは、MT車に近いフィーリングがあり欧州で好まれる

●高速道路の最高速度が日本に比べて高い欧州では、その構造上、変速比幅を多く取れないCVTは高速走行には不向き。

などが要因と思われます。


ちなみに、昨今はステップAT(※いわゆるトルコン式AT)が見直され世界的にみても流行の兆しをみせています。

● 多段化が比較的容易で超ハイギア化が可能となり高速燃費が向上
● 低速からもロックアップするよう改良が進みダイレクト感・燃費が向上
● トルコンのおかげで変速ショックが少ない

昨今のステップATは以上のような特徴があり、日本と欧州両方の道路事情にもマッチするオートマチック・トランスミッションと言えそうです。
 

⑤路面駐車が当たり前の欧州都市部

路面駐車できる場所がほとんど見当たらない日本の都市部。

一方、欧州の都市部(ローマ、パリ、ベルリンなど)は縦列で路面駐車するのは当たり前。



このため、欧州都市部では駐車が容易なコンパクトカーが好まれ、日本ではまだ法規すら整備できていない超小型モビティほどの小さなクルマも走っています。

また、スマートやトゥインゴなどのコンパクトなRR車が欧州で新たに生まれてくる背景には、フロントにエンジンを横置きするFF車と違い、フロントタイヤの舵取り角が大きく取れるため小回りが利き駐車が楽にできるといった利点もあるから。

ちなみに、ミニ(BMW)に装着できる「パーキング・アシスト」の自動駐車機能は、日本では不要とも思える縦列駐車のみに対応しています。

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