EV(電気自動車)を買うなら「全固体電池」になってから




次世代のクルマとし何かと取り沙汰されるEV(電気自動車)。

環境にやさしく燃料代(電費)も安い。
そして音も無く強力なトルクで走る新感覚のEVに食指が動くのも納得です。


しかしながら今、EVを購入するのはちょっと待った方がいいかもしれません。

というのも、新型の「全固体電池」搭載EVがまもなく登場となることが色濃くなってきたからです。



現状のEVは短い航続距離・長い充電時間などで利便性がいまいち。

また、中古車市場に増え始めた初代リーフの相場が散々たる状態で、
その一番の理由がバッテリー特有の劣化現象により、そもそも長くも無い航続距離が中古車になると新車時の7~8割程度しか確保できないものが多いとの指摘から。


このような状況となるのも現在主流の走行用バッテリー「リチウムイオン電池」の限界からくるものなのですが、このバッテリー性能を大幅に向上させたのが
「全固体電池」(ソリッドステートバッテリー)です。

この全固体電池を搭載したEVは、
早ければ2020年代前半の登場が期待されており、
2025~2030年頃には量産国産車が登場する可能性が出てきました。
 

全固体電池とは

リチウムイオン電池は正極(リチウム酸化物)と負極(炭素など)の間に液体の電解質を挟んだ構造で、リチウムイオンが移動することで電気を流したり、充電を行ったりするバッテリー。


そして、液体だった電解質を固体の素材としたものが全固体電池です。
   ※正確には「全固体リチウムイオン電池」


この固体電解質は「リチウム」「シリコン」「リン」「硫黄」「塩素」などの合成物が候補として挙げられていますが、その他の素材の組み合わせも含めどれが本命となるかはまだ未定といったところです。

そして、これらを500℃で合成し粉末状の固体電解質を生成。
この中を3次元的にリチウムイオンが高速移動することで高い性能を得ています。

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全固体電池の優れた特性


①大容量(高いエネルギー密度)

リチウムイオン電池と比べ電池容量はその約3倍

電池容量が増えることで満充電時の航続距離が延び、
ガソリン車並みの航続距離が期待できます。


②高出力(高い出力密度)

リチウムイオン電池よりも高い出力が得られることが確認されています。

これにより、発進・追い越し・登坂時などの高出力が必要とされる場面で優位性が発揮されます。


③短い充電時間

リチウムイオン電池と比べ充電時間はその約1/3

現状、急速充電30分で満充電の80%まで充電されるといのが標準的ですが、
これが数分程度に短縮されるとしています。


④劣化しにくい

リチウムイオン電池は充放電の回数や経過年数でも明らかな劣化が発生し、車種によっては数年後に新車時の7~8割程度の航続距離となってしまう例が多くみられます。

リチウムイオン電池の劣化は、液体の電解質中に溶け込んだ不純物が化学反応を起こし電極に付着することでイオンの移動を妨げてしまうことが要因の一つで、リチウムイオン以外は移動しない全固体電池では、ほとんど劣化の兆候はみられず実験でも確認されています。


⑤高い安全性

リチウムイオン電池の液体電解質は可燃性の有機溶媒で液漏れや発火の危険性がありますが、固体電解質は不燃性の無機質でこのようなことがありません。


⑥小型化

リチウムイオン電池は液漏れ防止のため強固なケースやセパレータが必要となり筐体が大きくなってしまいますが、固体であればこれらが不要となります。

また固体であれば積層化も可能で、大容量かつ小型化が可能となってきます。


⑦温度変化に強い

リチウムイオン電池の液体電解質は低温時に凍結や粘土の上昇でイオン伝導率が急激に低下してしまいます。また、高温になると揮発や沸騰が起こるため60℃を限界とし設計されています。

一方、全固体電池は-30℃~100℃という広い範囲で安定性した性能を確保しており、100℃の高温で充放電を1,000回繰り返しても、全く効率が落ちず劣化が無かったという実験結果もあります。

今後の課題は量産化体制の確立と価格

全固体電池の開発は世界的に行われていますが、
産学官が連携し開発を進めている日本が一歩リードといったところです。

そして、自動車メーカー別でみると
トヨタ、日産、本田、BMW、ポルシェといったところが開発中とみられ、
この中で一番積極的といえるのが全固体電池の特許出願件数トップのトヨタ

現時点では全固体電池の実用化の目途が立ったとみられ、
今後は量産化体制をどのように整えていくかという準備段階に突入した模様です。

2022年にはトヨタから全固体電池のEVが市販される!?

との噂もちらほらと出没しており、あと数年辛抱すればガソリン車並みの利便性を持ったEVが国産車として登場しそうな気配です。



そして2030年以降、量産体制に入った全固体電池の価格次第では、
クルマのEV化が一気に加速するかもしれません。

全固体電池の登場はクルマを取り巻く世界を一変させてしまうほどのパフォーマンスを秘めていますが、そのキーポイントは「価格」となってきます。

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