48Vマイルドハイブリッドで欧州車の攻勢が始まる

 

欧州が48Vマイルドハイブリッドを推進する理由

欧州が48Vマイルドハイブリッドを推す理由は、欧州特有の背景が大きく絡んでいるようです。


 

①2021年の欧州CO₂排出量規制への対応

世界一厳しいといわれる2021年の欧州CO₂排出量規制(燃費規制)。
2021年には2006年と比べ40%以上もの改善を欧州では要求されています。

現状、欧州で走行する乗用車の2台に1台がディーゼル車。
クリーンディーゼルの普及で燃費改善が進みディーゼル車の規制対処は進んでいますが、VWの排ガス不正問題でクリーンディーゼル中心の戦略見直しに迫られています。

片やガソリン車の燃費対策が遅れており、PHV(プラグインハイブリッド)等の電動化を積極的に進めようとしている中、48V電源で効率化されたマイルドハイブリッドは有効な手段とみられています。

 

②ストロングハウブリッドに比べ費用対効果に優れる

48Vマイルドハイブリッドトロングハイブリッドと比較すると、以下の通りで燃費改善効果は劣るものの大幅なコスト削減が可能です。

 ● コスト    ・・・ 約1/4 ~ 1/3 以下
 ● 燃費改善効果 ・・・ 約30 ~ 40%の低下


また、欧州CO₂排出量規制にはPHVに対し大きな優遇措置があり各社とも力を入れていますが、PHVは構造が複雑で比較的大きなバッテリーを必要としコストがかさむことから普及の道筋が見えていません。

その為、構造がシンプル・小型で低コストのマイルドハイブリッドへの普及効果に、期待が高まっています。
 

③大型車に効果が大きい

車重が重くなる大型車は小型車に比べ燃費が悪化します。
マイルドハイブリッドの燃費改善効果は大型車になるほどその改善率は向上する傾向にあるので、高級大型車を多く抱えるドイツ車には有効な手段となってきます。

また人気ジャンルとなったSUVは各メーカーのドル箱的存在となってきましたが、比較的大柄となるSUVにもマイルドハイブリッドは有効といえます。


そして、
● 48V電源の採用は高級車を筆頭に逼迫した車載電源の電力対処
● 欧州CO₂排出量規制は大型車にも有効性が高いCAFE方式を採用

などの事情も踏まえていくと、48Vマイルドハイブリッドの採用は、
先ずは大型車から増えていくものと思われます。
 

④新しい環境規制に適応したシステム

現在、欧州で導入されている燃費試験のNEDCモードと2017年9月に移行予定のWLTPモードとを比較すると、WLTPの試験方法は加速・減速が多いパターンとなっています。

また、WLTPと同時実施となるRDE試験(実走行による排ガス試験)では走行パターンに複雑な勾配が含まれてきます。

マイルドハイブリッドは、加速時には積極的にアシストし減速時には回生ブレーキで効率よく発電を行いますから、加減速が多いパターンでは燃費効率が上がる傾向にあります。

また、勾配(上り・下り)でも同様な効果があり、欧州においてマイルドハイブリッドは新しい燃費・排ガス規制に適応したシステムといえます。
 

⑤出遅れたハイブリッド市場への進出

世界のハイブリッド市場で日本勢に出遅れた欧州。
低いコストを武器に48Vマイルドハイブリッドで巻き返しを図ります。

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